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幻想世界☆

第27章 不器用な2人

北「まっ、マジで…どう‥いう」

藤「好きだよ」

北「えっ」

藤「俺、北山のこと」

北「なっ、何を…急‥に」

藤「北山は俺のこと好き」



続けざま聞けば、顔を背け



藤「聞いちゃダメこういうこと?」



少しの間、沈黙が続き。

その唇が小刻みに震えながら言葉を発する。



北「…だめ‥じゃ…ない」

藤「なら答えてよ俺の質問に」

北「ん…わかっ‥た」

藤「前を向いて、ねっ」



俺達は、向き合った状態で座り直し。



北「俺…は‥モジモジ」

藤「ダメ、こっちを見なくちゃ」

北「むぅー藤ヶ谷の意地悪」

藤「あははっ」



北山は、ぷーっとホッペたを膨らまして。

可愛い、クスッ



藤「だって、俺はちゃんと言ったし」

北「不意打ちみたいなもんじゃん」

藤「それでも、ニコッ」



そうでもしなければ、言えなかった。



藤「ほら、もう一度」



すると意を決したかの如く目をつぶり深呼吸をし。

次の瞬間しっかりと見開いて。



北「藤ヶ谷が好き、これからもずっと一緒にいたい」

藤「ふっ、ニコッ」

北「だから、だから、もう一度ここに」

藤「んーどうしよっかな」

北「はあっ?」



やっぱり恋人気分を味わうには、まずデートから。



北「どどどどっ」

藤「戻って来たいのはやまやまだけどベルがいるし」

北「へっ?」



そんな俺の言葉に、すっとんきょな声を上げる北山。



藤「おまえ、犬アレルギーじゃなかったっけ?クスッ」

北「だけどポッキーを飼ってる」

藤「実家にでしょ ニヤッ」

北「一緒に住んでいたもん」

藤「そりゃそうだろうけどさ」

北「藤ヶ谷あぁ」

藤「あははっ、ごめんゴメンつい嬉しくて」

北「嬉しいと意地悪をするのか、お前は」

藤「そうだけどいけない」

北「むぅーっ」

藤「クスクスッ」



ともあれ、お互いの気持ちを打ち明け合った俺たち。

これからは、たくさん楽しい事が待ってるに違いない



藤「わたに電話しよっと」

北「もう横尾さん?」

藤「当たり前でしょ、わたが一番」



俺達のことを心配していたんだから。




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