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幻想世界☆

第5章 覚醒する瞬間

・横尾side

不思議な夢を見るようになって5日目。



横「太輔、何を手にしてるんだよ」

藤「んっ?」



目を覚ますと泊まりに来ていた太輔が、ボーッと自分の手のひらを見つめていた。



藤「これ」

横「そう、チーズ?」



いわゆるステック状になっているやつ。



横「どうしたの」

藤「夢を見てさ塚ちゃんが」

横「はあっ?」

藤「まっ、いいや」



意味不明だ…



藤「それより今日は」

横「ミツと裕太の3人でラジオの収録。太輔はもしツアのロケだっけ」

藤「まぁ」



なんだか歯切れが悪く考え込んでいる様子、それから朝メシを済ませ。



藤「2人に宜しく」

横「太輔も頑張れ」



デビューして数年が経つと当たり前の如くバラバラの仕事をすることが多くなり、今では普通にこんな会話をする毎日。



北「横尾さん、おはよ」

横「裕太は?」

北「まだ来てない」



だからってわけじゃないけど。



玉「ジーッ」

横「んっ?」

玉「ミツ、終わったらご飯食べに行かない」

北「いいけど横尾さんは」

玉「‥‥‥」

横「俺は用があるし、2人して行けば」

北「そっ、じゃあ」



漂う、ぎこちない空気。



横「ただいまぁ」

玉「お帰り、ニコッ」



あの夢とは大違いだ、フッ



玉「美味い、さっすが」

横「こんなんで良ければ、いつでも作ってやるよ」

玉「本当に」

横「あぁ、ニコッ」



夢の中の裕太はツンな部分がない分、なおさら可愛く見え。

帰り道、思った以上に収録が早く終わった事もあり。

あいつらに、なにか可愛い服でも買って帰ってやるか

俺は、寄り道をして行くことにしたんだ。

車がよく通る大通りをそれ脇道へと入って、こうやって独り歩いていても誰にも気づかれやしない。

まだまだたな、と見たことがある通りに出る。

あれ?ここ前にも来たことがある気がする、確か。

3ヶ月くらい前の話し。



宮「うっお横尾さん見て」

藤「あんま騒ぐな、みや」

宮「へぇーこんな道があったんだ」



珍しく宮田と太輔の3人で



「ちょっとそこの紫のオーラの人」



が、そのあとの記憶がない何でだろう?。

それは後日、分かることになる。

綺麗な月が、夜空に輝いていた。

数々の星たちと共に―




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