君と僕。
第10章 君と僕と誕生日
何を言ったところで、時雨さんは大丈夫だよ、と微笑むだろう。
けど違う。
違うんだ。
「一番に言いたかった」
喜んでくれる事をしたかった。
ご飯を食べて、プレゼントだって、渡したかった。
けど僕が悪い、普通に。
実習が、なんて言い訳にならないよね。
「し...ぐ、れさん」
ぽつ、と雨が落ちるような呟き声。
「時雨さん!ごめんなさい、ちょっとだけ」
勢い良く扉を開け、時雨さんを呼ぶ。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」
「わっぷ」
ベッドにおいてある大きなクッションが顔面に向かって飛んできた。
寝てると思ってた時雨さんは、扉の横でクッションを持ってどうやら立っていたらしい。
「な、え!?」
「実習お疲れ様、蓮君」
悪戯っ子のように微笑むくせに、大人びた瞳をするんだ。
いつも、追いつけない。
「...ぐれ、さん」
「なぁに?」
「誕生日、おめでと...ござ...っごめん、なさい」
涙が溢れ出てきて、時雨さんは困ったように僕を抱きしめた。
けど違う。
違うんだ。
「一番に言いたかった」
喜んでくれる事をしたかった。
ご飯を食べて、プレゼントだって、渡したかった。
けど僕が悪い、普通に。
実習が、なんて言い訳にならないよね。
「し...ぐ、れさん」
ぽつ、と雨が落ちるような呟き声。
「時雨さん!ごめんなさい、ちょっとだけ」
勢い良く扉を開け、時雨さんを呼ぶ。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」
「わっぷ」
ベッドにおいてある大きなクッションが顔面に向かって飛んできた。
寝てると思ってた時雨さんは、扉の横でクッションを持ってどうやら立っていたらしい。
「な、え!?」
「実習お疲れ様、蓮君」
悪戯っ子のように微笑むくせに、大人びた瞳をするんだ。
いつも、追いつけない。
「...ぐれ、さん」
「なぁに?」
「誕生日、おめでと...ござ...っごめん、なさい」
涙が溢れ出てきて、時雨さんは困ったように僕を抱きしめた。