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君と僕。

第10章 君と僕と誕生日

「お誕生日、おめでとうございます」

「ん、ありがとう」

「うううぅーーー!」

「何なに、どったの?」

堪らなくなった。

「僕、僕まだ...こんなだけど。絶対、絶対医者になって、時雨さんのこと護れるくらい、僕が時雨さんの恋人なんだって胸張れるくらいいい男になるから!」

「...うん」

愛しそうに瞳を細めるこの人に、まだまだ僕ら遠く及ばない。

「時雨さんが最優先になれなくなる時でも、一番大好きなのは時雨さんだから!だから、ずっと、絶対...僕の隣にいてくれますか...?」

「あはは、何で最後弱気なの?」

時雨さんが僕の膝に腕を回してお姫様抱っこをする。
急に視界が反転したから驚いた。

「俺も大好きだよ。昔はただの平日だった日でも、君と一緒に過ごせるなら誕生日以上に特別な日に思える」

愛してる、と耳元で囁かれ、そっと零れるようなキスをしてくれた。

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