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君と僕。

第5章 君と僕と男気

「あーぁ、イっちゃったね」

「だめ、もう...動けな...」

「でも俺イってないよー?」

あ、意地悪な時の、声だ。
耳元で囁くように、けれど劈くように響いて。
脳みその奥から溶けてしまいそうな声。

「どうする?代わろうか?」

僕は頑なに首を横に振る。
一度イってしまうとチカラは入らないし、動くのも辛い。

けど、だからって主導権を時雨さんに渡したらいつもと同じだ。
マンネリとか、マグロとか言われちゃう。
いつまでも組み敷かれてたら、こんなカッコイイ人には、飽きられてしまう。

「ふっ...ん、ぁ」

そんなのは嫌だ。

「ん、んっ...ぁ、はぁあう」

「今日はヤケに頑張るね?サービス?」

時雨さんが僕の腰を支えながら絶景、と呟く。
時雨さんのかたいのに、全然イってくれない。
もっと気持ち良くなってほしいのに。

「ぁっ...う、ひっく」

「えっ!!!?!?」

「嫌い、に...ぅっ、なら、ないでぇ」

僕の下に寝転がる時雨さんの顔が真っ青になっているのが、歪んだ視界からでも分かった。

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