テキストサイズ

カラダからはじまった愛は

第2章 はじまりは

 運転席の白井は何も言わなかった。  

何も言わず瑠衣の膝の上の手にそっと右手を重ねた。

 「 あっ… 」

 顔を上げた瑠衣の唇に白井の唇が重なった…

 やさしくふれた唇は何も言わなくてもふたりをつなげていった…
 
 瑠衣の右手はいつの間にか白井の背中に回っていた。やさしく長いキスだった…

 言葉はなく、ただふたりの息遣いと月明かりだけが、静かに密かに感じられた…

 唇が重なっては求め

 離れては 求め

 はじめてなのに

 はじめてじゃない

 絡みつく白井の右手と瑠衣の左手…

お互いの空いた手は 愛しいものを探しあって

 …ことば以上のものを感じあっていた…
  
 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ