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カラダからはじまった愛は

第5章 逢瀬

 急に穏やかな気持ちになった。

 運転席の哲と窓越しにキスをした。

 大丈夫…?

 うん。大丈夫…。気をつけて帰ってね。

  
 十三を抱いているのを忘れていた。
十三は人見知りが激しく、よく吠える。

 けれど、哲さんには吠えなかった。  

ふいに哲が車から降りてきて、瑠衣を抱きしめた。
 やさしく力強く抱きしめられた。
時が止まったかのように静かで穏やかだった。

 あれ?十三 吠えないね…

 そのことがとてもうれしかった。

 

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