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カラダからはじまった愛は

第5章 逢瀬

 …戻らなきゃ… 気をつけて帰ってね。

そう哲を見送った。

 帰りたくない

十三を抱きしめ迷っていると、代行の運転手が迎えにきた。

「社長、ケガしたみたいで探して来るよう言われて」
 仕方なく戻ってみると、夫は 足の裏から血を流し、畳の上には直径10cmほどの血溜まりが3ヶ所できていた。

 茶の間の食器棚のガラス扉を足で蹴って割ったようだった。

 足から流れ出る血をタオルで押さえ、割れたガラスの破片を片づけた。

「 わかったか、こういうことになるんだぞ」


 アタシ いつかこの人に ころされる…


 離れたい

 一緒にいれない


 そんな想いが強くなっていった。

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