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カラダからはじまった愛は

第6章 決心

 そんなことがあっても、瑠衣は哲に会うことをやめられなかった。哲の腕に抱きしめられること、唇にふれること、カラダを求め合うこと、すべてか瑠衣を穏やかに包み、癒やされていた。

 会いたい…

 哲さんに 会いたい…

離れていても 時間がなくても 

この関係に危ない道があったとしても   

哲さんを感じていたい…

 
 夏の暑さがまだ残る展示場で、ふたりは愛を交わしあっていた。服を整え、先に階段を降り始めた瑠衣は、ふいに人の気配を感じた。

 「 村井君! どうしたの!? 」

 福島北営業所の村井君が2階にいた。

「 普通に正面から入って来たんですけど、誰もいなかったから…
加藤さーん!瑠衣さんいましたよー!」

 営業の加藤さんが1階にいた。

 まだ白井さんは上にいる、離れなくちゃ、

素知らぬ顔で1階の事務所に戻りパソコンに向かった。

 加藤さんが、事務所玄関にある男物の靴を見ながら「 ご主人でもきてるの?」と聞いてきた。
ちがいますよ〜、と答えると、ふーんと加藤さんは出ていった。ホッとしたのも束の間、
「白井君来てるんじゃん、何してたのふたりで」

 

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