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カラダからはじまった愛は

第6章 決心

 「 秘事ですよ!ひ、め、ご、と 」
冗談ぽく、笑いながら答えた。
心の中は、焦りでドキドキ、加藤さんの顔をまともに見れない、哲さんは2階で村井君と話しをしている様子、どうしよう、知らんぷりするしかないよね、

 「 ふーん、なんか瑠衣さんこの頃若くなったな〜って思っていたんだよね〜 」

 全てを悟ったかのように、加藤さんが言った。

そんなことないですよ〜、
パソコンに向かったまま気のないふりで返事をした。

 2階から村井君が降りてきた。

「 じゃぁ、戻りますか。あと、よろしくお願いします。」

 2人を見送りホッとしたところに哲が2階から降りてきた。

 「 やっちゃったね…大丈夫かな…」

 「まぁ、大丈夫だと思う。」

 そんなことを言いながらまた唇を重ねた。
今騒いてもしかたないし…

 瑠衣は展示場の事務所の玄関で哲を見送るのも好きだった。「いってらっしゃい」そして、悪いものを振り払うかのように、肩をパンパンと払い、後ろから抱きしめる…自宅から哲を送り出すような、そんな時間も愛おしく感じていた。

 その日、瑠衣は後ろから抱きしめながら口にした。

「 もし、会社で何かあったら、アタシ、辞めるから。」

 2人の関係がウワサにでもなるようなことがあったら、自分はすぐにでも仕事を辞めよう、

 それは、ふたりの関係がはじまった時から考えていたことだった。

 

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