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カラダからはじまった愛は

第7章 運命が動き出す時

 もう、このままじゃ耐えられない、きちんとどこかに相談しよう、

 そういっても夫は動こうとしなかった。

 自分でネットで調べて1人で訪れた司法書士事務所。
恥ずかしくて、情けなくて、悲しくて、先生の前で、いつの間にか涙があふれ出ていた。
それでも、債務整理でなんとかなるとわかり、
それから渋る夫を連れて相談に行った。

 『もう二度と、こんな思いはさせないで』

そう、話したはずなのに…。

 結局は同じことの繰り返し。

 
 今月も、支払いが苦しい、という。

 どうにも出来ない、と言うと、

「 お前は 知らんぷりか!」と 怒鳴る。
 
 そのくせ、飲みの付き合いには出かける。

 1人一万円もする割烹料亭の主人に、松茸が入ったら電話をくれ、と言う…。

 そして瑠衣を連れて行く。

「 お前も一緒に楽しんだだろう 」

そう 言うために。


 10/19

その日瑠衣は初めて、他人に対して

 「 離婚も含めて相談したい 」と口にした。
 
 

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