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カラダからはじまった愛は

第7章 運命が動き出す時

「 白井さんって言って、デザイン課で、バツいちで、歳は…38歳…」

「 まじっ!10歳も下なの!あっちはどう思ってるの?」

「 好きだって言ってもらった。」

「 いいんじゃね〜、そっちの方が絶対いいよ〜!応援するから!」

「 でもね〜、彼女いるんだよね…」

「 いいから、奪っちゃいなよ〜」

「…まぁ、アタシの身辺がきれいになったらね…」

 そんなことを話しながら絵里との距離も縮まっていくようで、うれしかった。

 自分が勇気を出して動くことで、見えなかった未来が動き出す、そんな予感がしていた。

 言葉にしよう

 今まで自分の胸の中だけに抑え込んでいた思いを。夫への我慢、恥ずかしいと思い人に話せなかったこと、夫のためについた嘘、辛かったこと。

 勇気をもって助けを求めよう

 助けてくれる人がいる、応援してくれる人がいる

そして初めて、未来が動き出す

絵里に全てを話すことができた。

次は どう動く?

離婚の決心はした、

だけど、夫は絶対に私を離さないだろう…

そんなことを考えていた時、

ふいに玄関に車の停まる音がした。

 夫が帰ってきた!

まだ、10時!いつもなら11時は過ぎるのに!

絵里を帰さないと!

 「 じゃ、そういうことで。」
 
夫への挨拶もそこそこに絵里を帰した。
  
 絵里がいたことに怪訝そうな顔で、夫が茶の間に入ってきた。

 そして、テーブルの上に出したままの瑠衣の携帯を手にした。


 
 

 

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