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カラダからはじまった愛は

第7章 運命が動き出す時

 夫はニヤリと笑いながら

「ミドリハウスから1000万位取れっかな〜」と言った。
そんなわけないでしょ、と力なく言うと、
「新聞社の友達、青田に言えば明日にでもニュースになる」と言う、さっき電話してたのは青田さん?それには答えず、
バカなことやったよな〜と、またほくそ笑んでいた。

 どこまでがホントか分からないけど、哲さんにも会社にも迷惑をかけたくない。
  
すると夫は

「弁済契約書」という書面をネットで探して印刷しろ、と言ってきた。
何も分からす、それらしい雛形をみつけて印刷して渡した。すると今度は、乙と甲を修正ペンで消してコピーしろと。 

 浮気の慰謝料的なものを書かせようという準備なのか、夫は終始、バカだよな〜、とニヤニヤしていた。

 書類の準備ができると瑠衣は夫に正座するよう言われた。

「これから、どうするんだ、相手のヤツと一緒になりたいのか?」

 優しげに聞かれ

「…なりたい です…」そう答えた。

 「ふ〜ん。で、お前はどう落し前つけてくれるんだ。」

 さっきに比べ穏やかに話す夫のことばに、
ひょっとして、別れてくれるの?
私を離してくれるの?
自由にしてくれるなら…

 「 いくら払えば いいんすか?」と尋ねた。

「俺がいくら!っていうと、恐喝になるからな、
自分の口で言え。」

 お金で別れてもらえるなら、100万…
うンン…哲さんの分も合わせて、

「 300万で …」

「 ほう、じゃぁ、俺の言った通りに書け!」

そう言われて、弁済契約書に記入して拇印を押させられた。

それから、白紙に、もう白井哲に会いません。今後二度とこんなことはしません。これから、何を言われても従います。…そんなことを書かされた。

 これで、哲さんに迷惑がかからなくなる。  

そう思い、ホッとした。


 「 よし、じゃぁ、これとおんなじ書式印刷しろ!アイツにも書かせる!」

 そんな、向こうには迷惑かけないで、ってお願いしたでしょ、

 そんな私の言葉は夫の耳に届かなかった。

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