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　駅で待つ哲の所まで、夫は瑠衣に車を運転させた。駅前のベンチに座る哲の姿に瑠衣は涙が溢れ出た。夫から弁済契約書と誓約書を同じく書くよう言ってこい、と渡され、瑠衣は車から降りて哲の所へ近づいていった。心は哲に会えた喜びでいっぱいだったけれど、その気持を夫に知られないように抑えていた。　

　「　ごめんね、大丈夫？」

　殴られた左頬を隠しながら、心配そうに瑠衣を見つめる哲に微笑んだ。

　「　これ、同じように書くようにって。お金のことはあとでなんとかするから。…ありがとう。」

　夫が見ているからと、それだけ伝えて瑠衣は車に戻った。

　哲は書類に目を通して、それから車に近づいてきた。夫は、お前は車でまってろ！降りてくるな！そう言って外から鍵をかけ外に出ていった。　　　
　駅前の交番近くで話していた2人…

哲が夫に土下座する姿が見えた。

　哲さん、ごめんなさい

　本当に、これが哲との最後になる、

瑠衣にとっては、哲を諦めることだけが、哲を守れることとしか、考えられなかった。