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カラダからはじまった愛は

第7章 運命が動き出す時

 お昼前には福島についていた。2日前の出来事がまるで嘘のように変わらない我が家があった。

 これから、この家を出る

 本当にそれが現実に可能なことなのか、
瑠衣はまだ迷っていた。

 夫に気づかれないように、何度か絵里からのメールを確認した。

 「 気づかれたら出れなくなるから、気づかれないように準備して。免許証、保険証、印鑑、通帳…」

 「 正敏おじちゃんは、白石の法テラスに寄ってから行くから5時ころになるって。ばあちゃんが急に具合悪くなったらから、迎えに来た、ってことで 」

 あと、4時間…

 夫は疲れたから少し眠る、と横になっていた。

 服はこのまま、荷物も普段から使っているバッグに入るだけ、十三はバスケットに入れて2.3日分だけの餌をもって…
携帯!会社の携帯探さないと…

 物音を立てないよう、静かにタンスの引き出しや、事務所の机の中を探した。

 みつからない…

 絵里に、メールした。

 「 ミドリハウスの携帯鳴らしてみて 」

 数分後、ブーンブーンと携帯のマナーモードのなる音が隣の茶の間からした。

 音をたてないよう慎重に探した。引出しの中、座布団の下、コタツの中…一通り探してみたがみつからない。会社の携帯なんか置いてったら、夫が何をしでかすか、わかったかもんじゃない…
あと、30分、夫はすでに起きていた。

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