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Melty Life

第4章 崩壊


* * * * * * *

 ゆうやが千里に予期した恋愛成就は、いい加減な根拠に基づいたのではない。

 水和を支えて、守れるだけの器量を備えた人間として、千里が最も当てはまる。


 ゆうやに社会的な地位はない。

 何だかんだ将来はどうにでもなるだろう千里と違って、ゆうやはあの父親の支配下にいる限り、高校の卒業式さえ無事に迎えられるか分からない。卒業出来ても、生涯、あの男の金蔓だ。

 あかりも同じだ。

 どこからか割り込んできた下級生に、初めこそゆうやは立腹したが、今や彼女の情熱に疑いはない。
 それにしても、あかりの水和に向ける熱が右上がりなのを感じれば感じるほど、ゆうやは彼女に自分に近いものを直感するようになっていた。
 あかりを縛りつけ、躊躇させているものは何か。今月頭の一件と言い、彼女の反応は他人の悪意に免疫がなかったというより、過敏というかナーバスだった。


 という湿っぽい胸の内を今しがたゆうやが披露したのは、先々月、雑誌の企画で撮影を共にした希宮莢だ。

 ゆうやは莢から無理矢理に彼女の考えるデート必勝法を聞き出して、水和とのデートで実践した。莢とは二度と顔を合わせる機会もないだろうし、礼も結果報告もしないだろうと思っていた。

 そんな彼女と、ゆうやはさっき偶然通路で鉢合わせたのだ。

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