Melty Life
第4章 崩壊
突然、吹き込んできた風があかりの肩を冷やした。
扉の開く音に弾かれるようにしてあかりが顔を上げると、僅かに上気した顔の父親が仁王立ちでそこにいた。
脱衣した父親は、肌着もつけていない。奇妙に笑った双眸は心なしか暗い気色を現していて、端を上げた唇は歪んでいる。
男の全裸を初めて見た。
父親の方もきっとあかりに気づかず入ってきたのだろう。そう解釈して、あかりは顔を背けて彼が出ていく気配を待った。
彼の手が、にわかにあかりの肩を掴んだ。
「っ、お父さん?!」
「おいおいおいー、父親をシカトするのかぁ?お父さんは疲れてるんだ、風呂で会ったらマッサージくらいさせてくれと頼むもんだろ?」
肩に、腕に、父親の爪が食い込む。
「離し──…あっ」
「く……くく、こんな風になぁ!」
父親は酒に酔っていた。
大の男はかけ湯もしないで浴槽に身体を潜らせた。父親は狭い湯の中であかりに脚を絡めると、娘の片手をひったくって自分のペニスを握らせた。男特有の体臭と、いやな大人のアルコール臭が、あかりの嗅覚を冒す。
「ほら!揉め!それとも先に揉まれたいのかお前は?!」
「酔ってるっ、しっかりして。……お父さん!」
あかりは自分にペニスを握らせる父親の手を払いのけて、湯船を抜け出た。残された男は、あかりを引きずり戻そうとして腕を伸ばす。
父親はあかりを羽交い締めにして、後方から乳房を鷲掴みにして腹を撫でた。毛むくじゃらで筋肉質な脚が、脚と脚の間に割り込んでくる。手のひらに感触として残ったばかりの、ぬるりとした分泌液をまとった突起が、今度はあかりの臀部にちょっかいを出していた。父親は楽しげに呻きながら、ペニスを娘の下半身にこすりつける。