
Melty Life
第4章 崩壊
「千里、弁当?」
「今日はコンビニ」
「俺もなんだ。一緒に行こうぜ」
書記の森本と庶務の田辺が、財布を握って千里に進み寄ってきた。
共に過ごしても劣等感が煽られるだけ。そう言ってゆうやが近づきたがらない彼らも千里と同様、どこにでもいる大人の一歩手前の子供に過ぎない。
昨日観たテレビや流行りのゲーム、誰が誰を好きだとかの浮いた話に盛り上がっては、土曜だからと言って羽目を外しすぎではないかというほど大口を開けて笑いながら、学校近くのコンビニエンスストアで昼ご飯を調達して、三人は生徒会室に戻った。
期間限定のおむすびセットに胸弾ませて、千里がレジ袋を開けた時、ポケットの中のスマートフォンが振動した。LINEの通知の差出人は、母親だ。
"すぐに◯◯総合病院に来なさい!おじいちゃんが入院したの!"
数秒、頭の中が真っ白になった。
母親は、どこの"おじいちゃん"を指してこんな冗談を言っているのだ。
