Melty Life
第4章 崩壊
棚を軽く整理して、はたきをかけ始めてじきに、あかりの尻を何者かの手が掴んだ。
「十代の女は締まりが良いな」
「ひっ…………」
ねっとりとした熱風が耳にかかった。臀部を掴んでおもむろに撫で回してきた人物は、その手を部屋着の内側に侵入させながら、実の娘を羽交締めにした。骨張った無遠慮な左手が、胸の膨らみを求める。
「お父さ──…」
「声を上げるな。お母さんと咲穂に聞こえるぞ」
「何の用……」
「俺かお前、あの二人ならどっちを信じるか分かるよな?」
「……っ、や……」
躊躇いない手つきで胸や太ももを揉みしだいた父親は、ごつごつした腕からあかりを解放すると、自身の上着を脱ぎ捨てた。
入浴前の父親は、石鹸の匂いも染みていない、嫌悪感を増長する男の体臭をぎらつかせている。
「お父さんのここ、舐めてみろ」
「…………」
「おい、お前は親に逆らえないんだぞ。咲穂だって父さん達の言うことを聞いて、勉強もするし手伝いもする」
父親の指差す黒い乳首は、女の乳房と違って、ただ厚い肉が張っているだけ。唇を寄せるとより独特の匂いが濃さを増した。
しょっぱい豆粒を吸い上げて、舌先に転がす。父親の命じるままあかりが愛撫を施すと、血縁の有無も疑いたくなるこの男は雄々しく切なげな悲鳴を上げて、歓喜しながらあかりを罵る。彼の手が彼自身の股間に伸びていく。
父親はひとしきり興奮した性器をボトムの上から慰めると、あかりに呼び水の続きを強いた。