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僕らの青春は始まったばかり

第7章 誤解













シャワーの音が鳴り響いている

伊坂が今僕のお風呂にいるからだ

この前そうしたようにコンビニに迎えに行ったあと僕が作ったチャーハンを食べた
その時はほぼ無言だった

僕はなんと言ったらいいかわからなかったけど伊坂はその静かな空気をあまり重く感じてなかったっぽくてよかった

耳元では今僕の好きなアーティストの曲が流れている

伊坂に何から話せばいいか分からない
そもそも話すべきかもまだ決まっていない

分からなかった

僕は僕自身が分からない

いつも周りに流されてばかり

本当の意思なんてそもそも僕にあるのかな?
伊坂が好きだっていうのもただの思い込みかもしれない

分からない
分からないんだ

曲が少しポップな感じへと切り替わる

大好きな曲だ

安心して少し口元が緩まる

大丈夫、僕は僕の意思で笑えてる


ガチャ

「先生、ありがとお風呂」

「あ、うんじゃあ次僕が入るからテレビでも見て待ってていいから」

「ありがと」

伊坂はそう言って、ふわりとソファーに座る
それはまるで子供の時からこの家に住んでいるようなごく自然で違和感のない動きだった

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