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僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。

第3章 2人の受験生

 俺としては、鈴と二人っきりで勉強が出来るならそれが一番良かったんだけど、あの色白メガネ、こっちの姿を見つけると絶対に声をかけてきて隣に座ろうとするから、色白メガネと鈴がくっつくのを阻止するために、俺がサキさんを誘って、鈴と色白メガネの間に入らせて、防波堤になってもらうように仕向けていた。

 腹が立つのは、最初の頃は一人だけ外に昼食を食べに出ていた色白メガネが、途中から下のコンビニで適当に何か買ってきては昼食を休憩室で一緒に食べるようになったこと。お前は外でバーガーでも食ってろ、バーカ! 鈴に色目を使おうとすんじゃねぇ!!

 そんなある日、たまたま塾内の男子トイレで色白メガネと鉢合わせた。

「君さ、鈴ちゃんのこと、好きでしょ」
「なっ…!?」
「バレバレだよ。あと、僕に対して敵意むき出しだよね?」
「だったら、なんだよ?お前こそ、鈴のこと狙ってんのかもしれねーけど、鈴はお前のことなんか眼中に無ぇよ」
「あっはっは…」
「何がオカシイんだよ」
「小学生と高校生で、釣り合い取れるわけないじゃん?諦めなよ」
「は?」
「それに、僕のことが眼中に無い以上に、君のことは『弟』としてしか見てないよね、鈴ちゃんは」

く~~~!!!ムカつく!!超、ムカつく!!この色白メガネ野郎~~~!!

俺は、血管がブチ切れそうになった。

「5…いや、7年後。今は釣り合い取れなくても、7年後なら?19歳と25歳なら、そこまでおかしくもないだろ」
「ふ~ん。ま、せいぜい頑張ってね」

 バカにされたのが分かった。でも、現時点で弟扱いなのは事実で、それ以上は何も言い返せなかった。

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