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僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。

第4章 初詣

 年が明けた。クリスマスも年末も終わり、受験生にとってはいよいよ勝負の時、入試本番の日が刻々と近づいてきているわけだが、そうは言っても世間はお正月休みの真っ最中。受験生だって、たまには息抜きぐらい必要だ。 そんなわけで、妹の美羽と、鈴姉を誘って初詣に出かけることにした。本当は、鈴姉と二人だけで行きたかったんだけど…それだと美羽のやつがへそを曲げるので声をかけた。というわけで、美羽はオマケだ。

 一応受験生だし、初詣に行って願うことといえば、やっぱり志望校合格だよな。
 
「合格祈願ってことは、やっぱり学問の神様みたいなのがごりやくがあっていいじゃない?」
「太宰府天満宮か?それとも北野天満宮か?」
「いや、よくは知らないけど…」

…知らんのかーい!!

「美羽、お前もそのうち歴史の授業で習うと思うけど、平安時代に、菅原道真っていう貴族がいてな。その人が死後に『学問の神様』として祀られるようになったんだ」
「平安時代って?」
「ん~と、今から1000年ぐらい前の時代だな」
「へー」
「自分で聞いたくせに興味無さそうな返事だな…」
「だって1000年前とか言われてもピンとこないし」
「ま、そうだよな。とにかく、その菅原道真がな、学問の神…」
「学問の神様になれるなんて、すっごい頭良かったんだね、その人!」
「話の途中で遮るな!」
「ごめんごめん。続きをどうぞ」
「その菅原道真が学問の神様として祀られてる神社を『天満宮』とか『天神』って言ってな…全国各地にあるんだけど、その中でも総本社とされてるのが、さっき言った2つだな」
「へぇ~」



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