僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。
第5章 運命の日
「おにぃ、とってきたよ」
「お、ごくろう。さて、行きますか」
スーパーにむかって、歩きながら話す。しかしこの前まで小さかったくせに、今じゃ目の高さがほぼ一緒だ。
「おにぃ、最近、よく飲むよね~」
「ん、まぁ、な」
「もしかしてさ、背が低いの気にしてる?」
「は?(怒)」
「だから牛乳がぶ飲みしてんでしょ、身長伸ばそうとして」
「別に、俺はチビじゃないぞ。ほぼ学年平均だ。お前が小4のわりにデカいだけだろ」
「うらやましい?」
「……別に」
正直言うと、ちょっとだけうらやましい。が、それを悟られたくは無かった。現在の俺と比べればほんの少しだけまだ俺のほうが勝っているけれど、小4の頃の俺よりかは明らかに背が高い美羽。
鈴に追いつくのも大事だけど、それ以上に美羽にだけは抜かされないようにしなければ。兄としての威厳が無くなる。明日からは小魚もしっかり食べよう。とにかく…カルシウムだ。
そんなことを考えながら、店に到着。頼まれた商品をカゴにいれ、レジの行列に並んだ俺の目に留まったのは、レジ前に展開されたおつまみコーナーにあった『小魚アーモンド』。俺はほとんど条件反射でそれをカゴの中にいれていた。
「おにぃ、頼まれてないもの勝手に買ってたら、またお母さんに怒られるよ?」
「いいんだよ。これは俺が自分の小遣いで買うから」
俺は美羽を制し、店員さんにお願いした。
「あ、店員さん、これだけレシート別にしてください」
「かしこまりました」
「わざわざ自分の小遣い出してまで小魚を買うなんて、やっぱ背ぇ低いの気にしてんじゃん…」
美羽が、何か言っているのが聞こえたが、無視した。
「お、ごくろう。さて、行きますか」
スーパーにむかって、歩きながら話す。しかしこの前まで小さかったくせに、今じゃ目の高さがほぼ一緒だ。
「おにぃ、最近、よく飲むよね~」
「ん、まぁ、な」
「もしかしてさ、背が低いの気にしてる?」
「は?(怒)」
「だから牛乳がぶ飲みしてんでしょ、身長伸ばそうとして」
「別に、俺はチビじゃないぞ。ほぼ学年平均だ。お前が小4のわりにデカいだけだろ」
「うらやましい?」
「……別に」
正直言うと、ちょっとだけうらやましい。が、それを悟られたくは無かった。現在の俺と比べればほんの少しだけまだ俺のほうが勝っているけれど、小4の頃の俺よりかは明らかに背が高い美羽。
鈴に追いつくのも大事だけど、それ以上に美羽にだけは抜かされないようにしなければ。兄としての威厳が無くなる。明日からは小魚もしっかり食べよう。とにかく…カルシウムだ。
そんなことを考えながら、店に到着。頼まれた商品をカゴにいれ、レジの行列に並んだ俺の目に留まったのは、レジ前に展開されたおつまみコーナーにあった『小魚アーモンド』。俺はほとんど条件反射でそれをカゴの中にいれていた。
「おにぃ、頼まれてないもの勝手に買ってたら、またお母さんに怒られるよ?」
「いいんだよ。これは俺が自分の小遣いで買うから」
俺は美羽を制し、店員さんにお願いした。
「あ、店員さん、これだけレシート別にしてください」
「かしこまりました」
「わざわざ自分の小遣い出してまで小魚を買うなんて、やっぱ背ぇ低いの気にしてんじゃん…」
美羽が、何か言っているのが聞こえたが、無視した。