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僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。

第6章 新しい世界、新しい生活。

買いこんだものを持って家に帰る。

「私にしてもらうのと、説明聞きながら自分でやってみるのと、どっちがいい?」
「えっ!?あ、やっぱり最初は、お手本的にメイクしてもらえませんかね?」
「ばりっばりのギャルメイクしてもいい?」
「えっ……。ギャルかぁ~。ギャルはちょっと…」
「うそうそ、冗談よ。鈴ちゃんは、ギャルってキャラじゃないからね」
「あはは…」

冗談よ、とサキちゃんは笑うが、なんだか何かを企んでいそうな顔をしているのがちょっと気になる。

しかし、メイク慣れしていない私は、自分でなんとかすることも出来ないので、とりあえずサキちゃんに身を委ね、なされるがままにするしかない。

「終わるまで鏡見ないでね?」

サキちゃんに鏡を封じられる。

「えーー、なんで?」
「途中経過を見ないほうが驚きと感動が大きいでしょ?」

でも、それでは私のメイクの練習にならないのでは…と思ったが、サキちゃんに鏡を隠されてしまい、諦める。

約一時間後。

「完成~~♪♪」

テンション高めのサキちゃんに鏡を手渡される。

「…ちょっ…これ、誰?」
「誰って、鏡なんだから鈴じゃん?」
「そうじゃなくて、誰…ってか、何のキャラ?」
「キャラ?」
「コスプレ的なメイクでしょ?これ?」
「別に誰とかはないけど、イメージとしてはフランス人形かな~?」
「やっぱコスプレじゃん!!」
「コスプレやるならカラコン入れて、ウィッグも被らせますって。そのメイクはフランス人形風なだけで、まだ鈴」
「……まだ?」
「うん。だから、これ被って?」

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