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僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。

第7章 突如始まるコスプレ祭り

「女装メイクとは言ってもなぁ。いつき君、色白だし、まつ毛も長いし、メイクはあんまり作りこまなくて大丈夫そうだねー」

「それって、俺の顔が女っぽいって意味ですか!?」

「優しそうな顔だちで中性的魅力のあるイケメン…になれる素質を持った子どもの顔してるって意味だよー」

「…モノは言いようですね」

話しながらもてきぱきと手を動かすサキちゃん。

「ウィッグは…無くてもいいか。このぐらいの髪の長さなら女の子でもいるもんね。前髪を厚めにおろして、うんうん、サイドは耳にかけてピンで止めて~。うん、可愛い可愛い♪ んー、やっぱヘアピンよりヘアバンドのほうがいいかなぁ~」

仕上げの段階に入って試行錯誤中のサキちゃんに、

「あのー、出来ればその…ウィッグとやらをつけたい」

珍しく要望を出す樹君。

「えっ、そうなの?もしかして樹くん、メイクされてるうちにだんだん女装願望出てきた?!」

「というか、万が一知り合いに見られた時に俺ってバレないようにしたいので…」

「わかった。じゃぁ、道中だけすずに用意した金髪ウィッグ被ろう!」

「ひぇっ、金髪っ?!」

「ウィッグつけたい理由が【知り合いにバレたくない】なら、それが一番いいと思うのよ」

「じゃあ…地毛でいいです」

「大丈夫!ヘアバンドで可愛くアレンジしてあげるから。そう簡単にはバレないバレない♪」

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