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僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。

第9章 怪我の功名?

中村君の伯母さんの家には、大学の正門前で待ち合わせて一緒に行くことになった。まぁ、一緒に行かないと場所知らないから辿り着けないんだけどね。
待ち合わせ場所が正門前なのは、そこが一番わかりやすい&都合良いから。

待ち合わせ場所には…水色の軽自動車が来た!えっ?車??
運転席にお兄さん、助手席に知らない女の人、で、後部座席から中村君が降りてきた。

「…えっと、あの方は?」
「トランペットのパートリーダーさんだよ!」
「トランペットの…」
「んでもって、兄貴の彼女でもあるww」
「えっ」
「ま、ま、あんまり長く車停めてると、通行の邪魔だし、とにかく乗って」

促されて、慌てて車に乗り込む。

「こんにちは、初めましてー。ん?もう夕方だから『こんばんは』かな?」

助手席の女性が、後ろに振り向いて挨拶をしてくれる。

「あっ、こん…こ…こんばんは。石井鈴です、よろしくお願いします」
「山崎友美(やまさきゆみ)です。トランペットやってます。よろしくね♪」
「はっ、はい…」

なんか、入部決定の雰囲気??
まぁ、いっか。元々入るつもりだったし…。

車内の会話では、中村君の伯父さんと伯母さんが伝説のOB・OGだということが判明した。伯母さんだけでなく、伯父さんも吹奏楽部だったことに驚いていたら、なんと、大学で知り合って在学中に結婚したらしい。そしてそのあたりが伝説になっているみたい。ちなみに、吹奏楽はあくまでもサークル活動で、伯父さんは経済学部だし、伯母さんは文学部卒。そう、やたらと音楽系サークルが盛んな大学だが、音楽大学ではない。

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