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僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。

第10章 新入部員歓迎パーティ

「飲み物!飲み物だね、わかった。すぐ取ってくる!」

立ち上がった中村くん、と、そこへ通りかかったお兄さん。

「大丈夫?喉詰まった? ごめんね、ちょっと痛いよ…」

そう言うと、私の背中を勢いよくバシッと叩く。と、喉の奥に引っかかっていたお肉がポロッと出てきた。

「とりあえず、飲みかけで悪いけど…」

そう言いながら差し出されたコップを受け取り、グイッと飲み…

!? げほっごほっごほっ。

むせた。何、今の?

「あっ、もしかしてビール苦手だった?」
「兄貴っ、未成年に何飲ませてんだよ!」
「えっ、ビール? 私、初めてで…」
「普通はそうだよ。てか、兄貴もまだ未成年だろ!」
「俺、明日が誕生日なんだよね」
「ほう、それはおめでとう。プレゼントなら無いぞ」
「そうじゃなくてさ。年齢って、誕生日の前日に1つ取るって知ってた?」
「は?」
「つまり、明日が誕生日の俺は、今日からハタチなの」
「それって、今日の夜中の12時からだろ…」
「かたいこと言うなって」

お兄さんと中村君、仲いいんだなぁ~、と二人のやり取りをほほえましく見ていた、ら。

「鈴ちゃん、オレンジジュースと麦茶どっちがいい?」

友美さんが飲み物を両手に持ってやって来てくれた。

「すみません、ありがとうございます。麦茶、貰えますか?」
「はいどうぞ」
「ありがとうございます」

受け取って、一気に飲む。冷たい麦茶が美味しい!!

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