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僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。

第10章 新入部員歓迎パーティ

「そういえば、中村君ってどこに住んでるの?」

「ばあちゃんの入所してる介護施設と、うちの大学の中間ぐらいの場所で、兄貴と二人暮らし。見舞いにも通学にもどっちにも便利な場所を探したんだ」

「へぇ~、そうなんだぁ」

「兄貴は元々はもっと大学に近い場所で部屋借りてたんだけど、俺の入学に合わせて兄貴も引っ越したんだ。二人暮らしするには狭かったし、兄弟で一緒に住んだほうが家賃の節約になるからね」

「友美さんは?」

「友美さんは実家暮らしだよ!」

「実家暮らしかぁ」

「て言うか、俺の事は『中村君』呼びなのに、友美さんのことは下の名前で呼ぶの?」

「あっ、なんか、中村君とかお兄さん達が『友美さん』って呼んでたから、つられちゃって…」

「じゃあ、さ、俺の事も『啓太くん』か『啓ちゃん』って呼んでよ。で、俺もさ、石井さんのこと『鈴ちゃん』って呼んでもいい?」

「……あ、そう、ね。うん、いいよ。な…け…啓太くん』

「鈴ちゃん、ありがと♪ 明日は、どうするの?」

「どうするって、何を?」

「ごはん。片手じゃ自炊難しいでしょ」

「しばらくコンビニご飯かな~」

「じゃあさ、夕飯だけでも一緒に食べようよ。片手でも食べられるメニュー…ハンバーガーとかがいいかな?」

「あ、うん…。ありがとう」

「じゃあね、おやすみ。また明日」

「うん、またね」


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