テキストサイズ

僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。

第11章 理想と現実

どんなに気持ちが醒めかけてても!

「いない」よりは「いる」ほうがマシだからぐらいの気持ちで、ただなんとなく別れてないだけの彼氏でも!!

それでも、人生で初めて、恋人のいる状態で迎えるクリスマスなのだ(あと2ヶ月以内に別れていなければ、の話だけどね)

今までのクリスマスと言えば…受験勉強追い込みだった去年は本当に勉強しかしてなかったし、中学生の頃とかでも放課後に教室でパーティするとか(そしてもちろん生活指導の先生にこっぴどく怒られた)、家族でチキン食べるとかその程度…。

でも今年は違う!
恋人と一緒にオシャレなレストランでディナーして、イルミネーションを見て……。

プレゼントは、何がいいかな?夏休みに車の免許とってたみたいだし、キーケースとか喜ぶかな?
貰うのは…ネックレスとかがいいなぁ…。

あぁ、やっぱり、イベントって楽しいよね♪

オシャレで素敵なクリスマスを夢見て、妄想を膨らませ、期待に胸を躍らせていた、んだけど……。

***

「えっ、クリスマスコンサート?」
「そうよ!うちの部で最大のイベントだからね」

市民ホールを借りて、チケット販売してクリスマスの定番曲を含めた十数曲を演奏するコンサートをやるらしい。コンサートの目的はチケットの収益で部費を稼ぐというのもあるのだけど、もう一つ目的があって、来年度以降の部員勧誘活動も兼ねているらしい。ので、地元の高校の吹奏楽部員さん達には、専用の格安チケットも販売しているとか。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ