テキストサイズ

僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。

第12章 冬休み

なんか、猫一匹にしては猫関連グッズ多くない?あと、なんで私の部屋が猫部屋に…

「お母さん、私の部屋が…」
「今は猫達の部屋になってるのよ。あんた、普段はいないんだから別にいいでしょ?」
「猫…たち?」
「あ、もう1匹いるの。白黒の子猫で、チョビの兄弟のハチよ。たぶん今はお兄ちゃんの部屋で寝てると思う」

ほんの9ヶ月家を離れてただけなのに、浦島太郎にでもなった気分だわ…。

「とりあえず、お昼は昨日の残りのカレーだから」
「はいはい~」

ご飯をよそって、温め直したカレーを注ぐ。ん~、いい匂い~♪

「いっただっきまーす!!」

やっぱり美味しいモノには人を元気にさせる力があるよね!

「あ、そうだ。あとで紅茶いれてうなぎパイでも食べましょ」
「うなぎパイ?」
「うん、父さんと二人で旅行に行ってきたのよ」
「えーと…名古屋?」
「違うわよ!うなぎパイは浜松よ!!なんで名古屋…」
「だってほら、名古屋ってひつまぶしとかさ、鰻が有名なイメージ?」
「あんたらしいわね」

…どこらへんが?! 

そして、3時のおやつに食べたうなぎパイもまた美味しかった。やっぱり実家って安心する。自覚無かったけど、軽くホームシックだったのかな。それで気持ちが不安定だったのかも…。

「鈴、こっちにはいつまでいるの?」
「1月7日から大学がまた始まるから、5日か6日には帰るよ」
「あら、ずいぶんのんびりなのね?部活やバイトは大丈夫なの?」
「うん、大丈夫」
「そう、じゃ、いろいろお手伝いがお願い出来るわね」

うわーーー。
久々に帰ってきた娘を容赦なくこき使う気だ…。やっぱり早めにあっちに戻ろうかな…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ