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そして愛へ

第1章 そして愛へ

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 きょうは、二〇十六年四月十五日の金曜日です。
 わたしは、大学二年生になりました。
 きょうは、セックスをする予定の日なんですが、わたしが風邪をひいてしまいましたので、進さんが今月はセックスをするのを休もうねと言ってくれました。わたしが、何日かずれてもいいのではと言いますと、かおりさんの風邪を治すほうが大事だよと言ってくれました。
 生理がはじまるとき風邪をひいていたら辛いでしょうと言ってくれました。そして、五月の安全日には、楽しくセックスをしましょうねと言ってくれました。
 大学から帰ったときから熱が高くなりましたので、進さんの家の近くのクリニックで受診しました。流行性感冒という診断でした。
 進さんが優しく看病をしてくれました。喉が痛いと言いますと、蒸気が喉の乾燥にいいからと、加湿器を買ってきてくれました。氷と水を入れた洗面器を持ってきてくれまして、
 「かおりさん、部屋にいていい?」
 「えっ」
 「タオルで、冷やしてあげたいの」
 「ありがとうございます。お願いします」
 「タオル地のねまきも、二枚買ってきたから、汗をかいたら  着替えてね」
 「ありがとうございます」
 「からだがだるかったら、私が着替えさせてあげるね」
 「進さん、優しい」
 「病気なんだから、いっぱい甘えてね」
 「嬉しい」
 「さあもう。あとは寝て熱を下げようね」
 「はい」
 進さんは、部屋の灯りは消して、わたしの机でスタンドを点けて本を読みながら、タオルを氷水で湿らせて額に当ててときどき交換してくれました。わたしは、クリニックで処方してもらった薬を飲みましたのですぐ眠ってしまったのですが、進さんは夜中もずっと冷たいタオルを交換してくれていたようです。

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