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そして愛へ

第1章 そして愛へ

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 きょうは、試し期間の一ヶ月目ですので、わたし決めましたと進さんに話しました。
 「進さん。卒業までいっしょに暮らします」
 「嬉しいな。かおりさん、ありがとう」
 「よろしくお願いします」
 「私こそ、よろしくお願いします。セックスのことも、いいんですね」
 「はい。わたし、進さんと、セックスをしてもいいと思うことができましたので決めました。
  この一ヶ月、進さんといっしょ暮らしているあいだ、楽しくて快適な毎日でした。進さんがとっても優しいのもよくわかりました。
  こんなに優しい人なら、優しくセックスをしてくれると思いました。それで、進さんとセックスをしてもいいと思いました」
 「かおりさん。ありがとう」
 「それで、いつ、あの…するのでしょうか?」
 「うん。かおりさんの安全日にしましょう」
 「えっ」
 「妊娠する可能性がない日です」
 「あっ、その安全日」
 「それで、言いにくいかもしれませんが、次の生理がはじまる日を教えてもらえますか」
 「進さんが、そこまで考えてくれているんですから、言いにくいということはありません。えっと、次の生理は九日後の十月九日からの予定です」
 「生理の時期は安定しているの?」
 「はい」
 「生理前の十日間が妊娠しにくい時期ですから、これからは生理がはじまる五日前にしましょうか。
  でも、土曜日のほうがいいでしょうから、十月は三日にしましょうか。かおりさんは、三日でいいですか?」
 「えーっと、はい。いいです。なにも予定はありません」
 「よかった。無理なお願いでごめんね」
 「いえ。安全日にと言ってくれましたのが、進さんの優しさをあらわしていると思います。わたし、とっても気持ちが楽になりました」
 「そう思ってくれると嬉しいです」

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