テキストサイズ

そして愛へ

第1章 そして愛へ

         48


 わたしをベッドに降ろしてくれたあと、進さんがベッドの横に立って、
 「かおりさん。キスしてほしい」
 どこに、と聞かなくてもわかります。ベッドに横になっているわたしの目の前に、進さんのあれがあるんです。わたし、ますますまっ赤になって、進さんの顔をチラッと見ました。進さんは、とっても優しい顔でわたしを見つめています。
 わたし、進さんのあれにチュッとキスをしまして、ベッドにうつ伏せになりました。進さんが、うつ伏せのままのわたしを、優しく抱いてくれました。わたし、クルッと向き直り進さんに抱きつきました。恥ずかしくて、進さんの胸に顔を伏せていました。進さんはそんなわたしが、愛しくてたまらないという感じで、髪を撫で続けてくれます。
 「恥ずかしかったね。ごめんね」
 「ううん」
 「どんな味がした?」
 「いゃーん」
 わたし、耳までまっ赤にしてしまいました。
 進さんが、髪を撫でながら、わたしをそっと仰向けにしてくれました。優しく優しく、キスしてくれました。ヘッドコーナーからコンドームを出しました。
 「進さん、あのね」
 「うん」
 「あのね、進さんの精が欲しい」
 「駄目だよ。妊娠したら、傷つくのはかおりさんだよ」
 「でも、きょうは安全日でしょう」
 「それでも、妊娠する可能性はあるんだよ」
 「赤ちゃんができたら、わたし産みます」
 「えっ」
 「いのちを授かるんだもの。産みます」
 「そこまで…」
 「だけど、ほんとはその可能性はないんでしょう。ゼロなんでしょう」
 「ゼロに近いけど…」
 「ね、進さんお願い。わたし、進さんのあれにキスをしました。恥ずかしかったけど、それで勇気をだして、精が欲しいと言えたの。進さんお願い。駄目?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ