―短冊に託したプロポーズ―
第1章 ―短冊に託したプロポーズ―
「ははっ。サプライズ大成功だな」
「大成功じゃないわよ、もーうっ。私、裕一に全否定されてショックだったんだからねっ」
「ごめんな、理沙。
本当は……お前にスゴく似合っていて、とてもキレイだって思って見惚れてた。
リングについてるダイヤも、お前に身に付けられたら、嬉しそうに輝きを増したようにも見えて。
だから俺が、どうしても買いたかったんだ。エンゲージリングとして」
「っ……嫌よ。今さらそんなことを打ち明けてくれたって許さないっ。この願いを叶えてくんなきゃ……絶対に許さないんだからねっ」
「あぁ。絶対に叶えよう。二人で一緒に……な?」
「うんっ……」
「じゃあ、改めてちゃんと言わせて。
……理沙。俺は理沙と、二人で幸せになりたい。
どこにも行かない。ずっと好きでいる。
俺と……結婚、して下さい」
「っ……私も、裕一と幸せになりたい。裕一のそばで、ずっと好きでいるっ。
私で良ければ、よろしくお願いしますっ……」
泣いて喜ぶ理沙を引き寄せる。繋がれた数本のチューブに気を使うことも忘れ、理沙に思いっきり腕を回した。
短冊に託したプロポーズ(願い事)が
本当に叶うように、
理沙を、強く……強く……
抱きしめた。