狂愛の巣窟
第5章 【隣人に魅せられて…】
「ありがとうございます、こちらこそ宜しくお願いします」
お2人が帰った後は何だか気恥ずかしくてセックス…ではなく、2人キッチンに立って仲良く夕食作りする事にしました。
そうこうしているうちに有紗が。
夕食前には一颯くんが帰宅し、家族で食卓を囲む。
テーマパークにデートした事はやっぱり子供たちに羨ましがられて。
アイコンタクトで一颯くんの“シたの?”に対し軽く首を振る。
それをがっつり有紗に見られてニヤニヤされる始末。
お隣さんの話にもなって、2人には顔を合わせたら挨拶するように伝えておいた。
洗い物中、冷蔵庫から飲み物を出すフリをして一颯くんが。
「写真なんか撮ってさ…デートとか」
「ご、ごめん…」
享さんはお風呂中。
有紗は部屋で勉強中。
「まぁ……いいけど」と言われたのでホッとした瞬間、気配を感じて振り向いたら顎クイされて強引にキスしてくるから思わずスポンジをシンクに落としてしまった。
「ちょっと…やめてよ」と小声で叱る。
悪戯な顔で笑う一颯くんはヒラヒラと手を振って部屋に上がっていく。
危ない……こういうの、本当やめさせなきゃ。
浮かれたり気を抜いたところから綻びは出てくるの。
「良いお湯だった……十和子もこの後入るの?」
「うん、入るよ」
「そっか……じゃ、上で待ってる」って享さんも小声で行っちゃった。
あの様子じゃ目撃されてはなさそうだけど。
シャワーを浴びて寝室へと向かう。
ベットの上で本を読みながら待っていてくれた享さんを見て改めて思う。
私、この人を失いたくない。
人生の最後まで隣に居て欲しいって思ってる。
「何読んでるの?」
「ん〜?自己啓発本だよ、適当に選んで買ったやつだけど」
「偉いね、享さんのそういう努力家なところが好きよ」
「あれ?十和子からお誘い受けてる?俺が襲っちゃう予定だったんだけど?」
「私だって……あのままで終わるの結構キツいんだけどな」
「おいで、何でそんなに可愛いのかな、俺の奥さんは」
「享さん、今日から……その、あまり激しいと声が……」