狂愛の巣窟
第6章 【禁忌を侵す者たちは…】
「これから行く所もする事も全部、一颯くんとの初めてばっかだよ?もしかしてだけど、私の過去とか…元カレとか気にしてたりする?いや、それは自意識過剰だね、うん、忘れて」
「十和子さんの全部気になるよ、絶対俺が一番若いから未熟だし楽しませてあげれてんのかな…とか知りもしない昔の男は十和子さんをどんな風に楽しませてたんだろうとか」
やっぱり……何か嬉しそうだったり甘えてくる事で何か不安を掻き消そうとしてた風に見えたのは間違いじゃなかった。
「そりゃ、色んな経験はしてきたけど今に勝るものはないよ」
「え…?」
「今が一番ドキドキしてて一番幸せ」
「十和子さん、俺も」
うーん、ここでキス……しちゃうよね。
仕方ない。
遠慮がちに入れてくる舌に応える。
でも絡ませたらこれ、長くなる。
わかってる……わかってるけど。
「ダメ……これ以上はシたくなるでしょ」
「うん、我慢する」
「せっかく来たんだし良い汗流して露天風呂入ろうよ」
「本当?やった」
部屋についてるから貸し切りだもんね。
絶対今エロい事考えてる。
え、またキスするの?今したばっかじゃん。
「キスで終われるの?」
「うん、キスはしたい、恋人だもん」
その言葉に弱いのわかって言ってるでしょ。
ほら、笑ってる。
グイグイ顔近付けてきて「したい」って甘い声で囁く。
もう、一颯くんの全部に理性抑えるの必死なんだよ。
触れるだけのキスのつもりが離してくれなくて結局深い。
舌を甘噛みして止めるの。
額預け合って火照りを冷ます。
「バカ、もう行くよ」
「ちょっとだけ…待って」
「ほら〜絶対そうなると思った」
「ヤバい、トイレ…」
こっちこそヤバいよ、危うくショーツ汚すとこ。
こうなる事を予測出来なかった訳じゃないけど流石ね。
トイレから出て来た一颯くんは笑顔で私の手を引いて部屋を出て行く。
何も用意しなくても身体ひとつで全部レンタル出来て遊べちゃう施設。
本格的なサバゲーもあったけど時間的にパスしてボルダリングを楽しんだ。
「え、ヤバい!十和子さんめっちゃ登れるじゃん」