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狂愛の巣窟

第7章 【再燃するココロとカラダ…】






「きーし、十和子はもう旦那さんおるけぇね?まぁ、独身は岸くらいなもんか」




「だから俺はそんな魅力ないのかなぁ……」




「十和子、気にせんでええよ、前もこんなん言うて泣いてたもん」




派手に飲んだねぇ。
途中何度か水飲ませたんだけどいつの間にか勝手におかわりしてたみたい。
お酒弱いくせに。
隣の私はザルだけどね。
ごめんね、可愛げなくって。
酔わされた事は一度もないの。




手も離さない、ずっと隣。
周りはまたいつもの事だ…的な目で見てくれてるみたいだけど「トイレ」と言って無理やり離れた。
大変だね…と皆、他人事。
何となくだけど、わざとなのかなって思ってる。




携帯に届いてた享さんと一颯くんからのメッセージを読んでいると後ろから急にハグされて思わずよろけた。




「えっ!?ちょっと!酔い過ぎだよ、岸くん!」




「ん〜?やっと見つけた〜十和ちゃん良い匂いする」




「離れて?トイレならそこの青い扉だよ?」




「十和ちゃん……二次会行かずに抜けよ?」




「え?何言ってんの?二次会はパスするけど帰るから、旦那が待ってるの」




「ん……じゃ、送ってく」




「はぁ!?送られるのはそっちでしょ、私タクシー拾うし大丈夫だよ」




「ダメ、次いつ会えるかわかんないからちゃんと送ってくよ、俺、そんな酔ってないから」




そう言いながら私に寄り掛かってる。
熱い身体と懐かしい匂い。
「そろそろお開きだよー」と幹事が言いに来てくれて私たちは離れた。




こんな酔っ払いは置いといてさっさと帰るつもりだった。
抱えてタクシーに乗り込み家まで送れば良いと思ってた。




「本当頼んで大丈夫?住所は免許証に書いとるよ」




「うん、私も二次会行けなくてごめんね?送ったら帰るし」




「十和子だったら安心して任せれるわ、また集まろうね」




皆に見送られタクシーは走り出した。
免許証の住所を言おうとしたら取り上げられて知らない住所を先に言われた。
ムクッと起き上がり手を握る。
ほら、演技じゃん。
途中から気付いてたよ。










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