狂愛の巣窟
第9章 【狂愛の巣窟ー最終章Ⅰー】
「でも性欲はあるでしょ?俺の、嫌?」
そう言って私を仰向けに倒してくる。
その際もホックを外して抜かりはない。
髪を撫でられ、この視線。
随分ズルい言葉で攻めてくるのね。
それって私の影響?
固くなったのグリグリ押し当ててきて欲しい顔してる。
「嫌よ、もう絶対嫌」
そう目で煽り返して下着の中に手を忍ばせる。
直で手コキして外に出してあげる。
ショーツを自らズラし、挿入させる。
正常位で迎え入れた肉棒を両脚でホールドするの。
「十和子の中……凄く気持ち良い」
「忘れないで?私の中」
「ずっと挿入ってたい」
「んふふ、ほら動いて?もう体力あまり残ってないから…誰かさんが朝から激しくて」
「うん、わかった、十和子の一番好きなところ突いてあげる」
「ゆっくりね?すぐイっちゃうから」
「はーい」
「あっ……バカ、それ違うっ」
ゆっくりどころか激しいピストン。
角度も速度も全部私好み。
ついに教え込んじゃった。
「え、わかんない、十和子これ好きでしょ?」
「あっ…あっ……ダメ」
「ダメ?」
「あぁ……ダメ、じゃない」
ねぇ、朝から何回目?
離れてはくっついて、その繰り返しで。
何度目かの絶頂を与えられ、ソファーの上でぐったりする。
お腹に出された精液を見た後、抱き締めてキスをした。
もう、離れる事も難しい。
だらしがなくてごめん。
私は享さんもキミも手放せない。
同じように愛してしまう。
どちらか離れても私自身が壊れてしまう気がしていた。
取り返しのつかない事態を呑み込むしかなかったの。