狂愛の巣窟
第1章 【入り乱れた関係に…】
そんな一颯くんを見送った後、家事と掃除を済ませシャワー後、ワンピースに着替える。
メイクはほぼ毎日しています。
すっぴんは…家族でさえもあまり見せた事がありません。
享さん曰く、あまり変わらない…そうですが長年してきた習慣ですから就寝前しか見せず、朝もメイクし終えてから朝食やお弁当の支度に取り掛かります。
寝坊など生まれてこの方した覚えがないほどです。
ショートスリーパーらしいので。
ルージュを塗ったらインターフォンが鳴ります。
ドアを開けても顔色ひとつ変えない私は
待ってたよ、とばかりに手を引いて招き入れる。
そうです、相手は午前中に来た配達員さんです。
「早かったですね」
静かに鍵を閉める。
ゴクリと喉が鳴る音も聴こえちゃうほど密着して誘うのです。
「呼び出されてドキドキしてます?ずっと見てたの知らないとでも思いました?」
急に襲われかけて動揺してる。
壁に背中くっついて逃げ場ないですもんね。
いつも顔あまり見れないからここぞとばかり見上げる私に本気で焦ってる。
「あの、その、佐倉さんっ…」
「はい」
「ち、近いので……」
「はい、ごめんなさい」
固く盛り上がったところが股関節に当たってる。
コレ、誤魔化すつもりですか?
視線を落とすと両手で隠すから余計バレてますよ。
「こ、これは…自然現象で、不可抗力です」
顔真っ赤にして言い訳してる感じがウブで可愛らしい。
“今誰も居ないので来てください”
そう言っただけで息切らして来てくれたんですよね。
「エッチな事でも考えちゃったんですか?よく配達に来るお家の住人と…イケナイ事でも妄想しちゃったのかな」
「あ……いや、そんな事は」
「いつも良くしてくれるんで、お茶でもどうかなって誘っただけなんですけど」
「こ、こちらこそいつもご利用頂いてありがとうございます……」
「んふふ、いつもチラチラ見てましたよね?胸とか…脚とか」
「いえっ!そのような事は…」
ポロシャツごと引き寄せてみましょうか。
至近距離で見つめる彼の顔はとても綺麗で整っている。
こんな可愛い子がどうして私なんかを。