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妄想

第3章 報告

優紀はJR線を乗り継ぎ、山手線内回りに乗り換え佐伯着付け出張学院のある大崎を目指した。学院の所在地は駅から徒歩15分と言う距離ではあるが、高層マンションや雑居ビルが乱立する駅前に比べ、家々が立ち並び生活に則した環境が整っている場所だった。
「只今戻りました」事務の古株の森本聡子がいち早く反応し「お帰りなさい」と言うが、他の者はパソコンを前にそれぞれの仕事に集中していた。
「院長は先程、全講師を集めてのミーティングが終わった所で三階にいらっしゃいます」
「失礼します」優紀は学院長の執務室に入り、仕事内容を報告する。
書類にざっと目を通した佐伯玲子は「わかりました。後はあなたと派遣する講師で仕事を進めて頂戴」と言い、再び手を止めていた作業に入った。優紀は二階の講師達の控室に行き、倉田に「水月館」での仕事内容についての説明を行う。
「じゃ、そう言う事でお願いね」「はい」
倉田は地味な顔立ちながらも、腰つきがどことなくなまめかしく優紀は「あのくびれ、男なら軽く三回は行っちゃいそう」と卑猥なシーンを思い浮かべた。午後は、外回りの仕事を2、3片づけ直帰する。九月上旬とは言え残暑はまだ続くような天候の中、マンションまでの道を急ぐ。マンションに帰ると別れたはずの高木がちゃっかり上がり込みTVを見ている。「何なの。勝手に入って」
「まっ、そうカリカリすんなって。飯一緒に、と思ってテイクアウトしてきたんだ」見ると部屋の中央に置いてあるテーブル上には、優紀の大好物のシーフードピザが載っている。
「優紀、オレンジジュースだったよね。冷蔵庫に入れてあるよ。ピザ冷めない内に食おうぜ」
下火になったとは言え、コロナの事もあり優紀は手洗いをしに洗面所に入る。手洗いを済ませた後、優紀は「外回りの仕事でクタクタなの。最初にお風呂入りたいから、食べたら帰ってくれる?」と声をかけた。服を脱ぎ、ブラジャー、パンティを洗濯槽の中に放り込む。何気なく乳頭に目をやると不意の来客に興奮している様子もなく「良かった、このまま大人しくしてて」と、その先の敏感な部分を人差し指で慈しむようにそっと撫でた。

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