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妄想

第5章 女体盛り

佐伯着付け出張学院講師倉田は、ホテル水月館での着付け指導を終え、一切合切詰め込んだキャリーバッグを転がし帰途に就いた。電車で移動中、倉田は最後の夜、自分の身にふりかかった椿事を思い出し一人、赤面する。従業員用の風呂に浸かっていた倉田は、がらっとガラス戸を開けて入ってきた黒沢の裸身を直視し、その中心にそびえ立つ”いち物”に目が釘付けになる。さらに豊かなアンダーヘアーと陰嚢も目に飛び込んできて倉田は「はぁ~ん」という牝犬のような声で、それらを歓迎したのだった。結局、倉田が使用時間を間違えていただけの事だったのだが、いくら黒沢が男だと言っても、不意打ちにあったような状況は解せないに違いない。倉田は事務室で「本当に申し訳ありませんでした。マネージャーがあんな巨根の持ち主だという事は誰にも言いませんからご安心下さい」と謝ったものの黒沢はくるりと背を向けて「お引き取り下さい」と言い、許してはくれなかった。兎に角、学院に仕事内容の報告をしなければと考え、四六時中、頭の中によぎっている黒沢の巨根のシルエットを何とか追いやった。

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