
止まない雨はない
第1章 マンハッタン
『……男に抱かれるのって、初めて?』
耳朶にタカシの唇が触れそうなほど近づいて、そんなふうに訊ねられた。
恐怖を感じないといえば、嘘になる。カラダがわずかに震えた。
そんな問いに敢えて答えられるわけがなくて。
こんな気持ちに今までなったことがなかった。
あなたが初めてです、タカシ…。
あなたがオレの心を両手で握りつぶしてしまうほど、強く抱きしめてくるから。
だから、あなたが望むのであれば、
よろこんで、オレはあなたのものになる。
見つめあって、何度もキスをして、タカシはルカの柔らかな首筋にもキスを落とした。
小さく震えるルカに、『大丈夫だから』と華奢な指先を自分の手と絡ませて。
そのひとつ、ひとつが、優しかった。
『……ルカ、オレ………あなたに会えて、本当によかった………』
泣きそうな顔で笑うタカシ。墓標の前では絶対にそんな顔をしなかったのに。
『………オレも、あなたのココに、住まわせてもらえますか、永遠に…』
上から見つめてくるタカシの胸に、ルカはそっと指先を添えた。
『あなたのココが痛むなら、オレ、常にこのなかに居て、痛み止め代わりになれるかも…』
…もっとも、眼科医ですが。
ルカがそう付け足すと、タカシは返事をする代わりに荒々しく口付けた。
タカシの少し乱れた髪から、コロンの香りがする。
その全てが愛しくて、髪に指を入れて梳いてみる。
静かに時間が流れていく。誰にも邪魔されない二人だけの時間。
白いシーツのなかで、ゆったりと快楽に身を任せて、ルカは想う。
自分が自分でなくなっている……と。
タカシに愛され、彼を受け止めている自分。
彼と繋がって、理性では抑えきれない声をつむいで、彼と見つめあって…。
汗ばんだ肩に手をまわす。広いタカシの背中。筋肉のついた腰。
コロンの甘い香り…。
『…………ルカ……………好きだ』
その言葉に偽りはありませんか、タカシ?
あなたはオレに、まだ何か隠しているようだ。
まだ………。
耳朶にタカシの唇が触れそうなほど近づいて、そんなふうに訊ねられた。
恐怖を感じないといえば、嘘になる。カラダがわずかに震えた。
そんな問いに敢えて答えられるわけがなくて。
こんな気持ちに今までなったことがなかった。
あなたが初めてです、タカシ…。
あなたがオレの心を両手で握りつぶしてしまうほど、強く抱きしめてくるから。
だから、あなたが望むのであれば、
よろこんで、オレはあなたのものになる。
見つめあって、何度もキスをして、タカシはルカの柔らかな首筋にもキスを落とした。
小さく震えるルカに、『大丈夫だから』と華奢な指先を自分の手と絡ませて。
そのひとつ、ひとつが、優しかった。
『……ルカ、オレ………あなたに会えて、本当によかった………』
泣きそうな顔で笑うタカシ。墓標の前では絶対にそんな顔をしなかったのに。
『………オレも、あなたのココに、住まわせてもらえますか、永遠に…』
上から見つめてくるタカシの胸に、ルカはそっと指先を添えた。
『あなたのココが痛むなら、オレ、常にこのなかに居て、痛み止め代わりになれるかも…』
…もっとも、眼科医ですが。
ルカがそう付け足すと、タカシは返事をする代わりに荒々しく口付けた。
タカシの少し乱れた髪から、コロンの香りがする。
その全てが愛しくて、髪に指を入れて梳いてみる。
静かに時間が流れていく。誰にも邪魔されない二人だけの時間。
白いシーツのなかで、ゆったりと快楽に身を任せて、ルカは想う。
自分が自分でなくなっている……と。
タカシに愛され、彼を受け止めている自分。
彼と繋がって、理性では抑えきれない声をつむいで、彼と見つめあって…。
汗ばんだ肩に手をまわす。広いタカシの背中。筋肉のついた腰。
コロンの甘い香り…。
『…………ルカ……………好きだ』
その言葉に偽りはありませんか、タカシ?
あなたはオレに、まだ何か隠しているようだ。
まだ………。
