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止まない雨はない

第3章 遠き地にて君想うとき

ルカ…………。

お前に触れたい。その唇、その細い肩、腕、指先…全て。

時を忘れて愛し合った。

腕のなかでお前は、いつも幸せそうに笑ってくれた。

「オレとタカシさんは、出会うべき運命だったのかも……なんてね」

かたくなに運命を信じていた。

夜勤明けで眠そうなお前に、オレはだだをこねたガキのように
無理矢理愛を強要したこともあったけど…。

わがままに生きてきたオレに、唯一出来ることは
お前の背中を押すことだけだったから…。


『………………!!』

タカシは両手で鍵盤を突然叩き、大声を上げ、そして…………


子供のように泣いた……。


愛していたんだ、ルカ……。


お前の邪魔になんて……絶対になりたくなかった。

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