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「なんだ……昼飯を食ってないのか、ルカ？」

「え？……ああ、コレね。今日も忙しくて。あ、でもドイツに居た頃に比べたら、凄く充実していて、やりがいを感じているんだけれど…」

ルカは笑いながらまずいものを見られてしまった…と思いつつ、タカシの関心を逸らそうとする。
するとタカシは、ルカの手首を取ってみた。

…………細くなった。

もともとわりと華奢な作りのルカだったが、さらに痩せてしまったような気がする。

「……………いくぞ、ルカ」

タカシは強引に電子カルテの整理をしていたルカの手を引っ張った。彼はあっけにとられてそのまま引きずられてしまう。

「ちょ…ちょっとまって、タカシさん！オレ、まだ電カルの整理とか山ほどあって」

「カルテの整理の前に、お前の胃袋をなんとかしろよ、ルカ」

タカシにそう言われ、仕方なくルカは診療所の扉を施錠し、彼に付いて行く事にした。

タカシはルカを自分の横に歩かせ、ビルの路地へと入っていく。
その奥には赤い暖簾の掛かった「味園軒」という名のラーメン店があった。

「…らっしゃい！おや、めずらしいね、タカシちゃんにお連れさんがいるなんて…」

「…大将、コイツにチャーシュー大盛りの特製ラーメンね。オレは普通盛でいいから…」

「ちょ…ちょっと、タカシさん、オレラーメン食べる時間なんて…」

強引に連れられ、ラーメン店のカウンターに座ったルカは、タカシに少し戸惑っていた。


「…あいよ、ラーメンお待ち！」


しばらくして、出来上がったラーメンがカウンターに登場した。
チャーシューがこれでもか、といわんばかりに太麺の上に盛られている。
その上にはこれまた山のようになった刻みネギ。

「……すごいな、美味そうだ」

思わずルカは感嘆する。

「だろ？味も絶品だからな」