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止まない雨はない

第6章 ウルトラマリン

「佐屋君が見つけたアイスクリーム屋さんって、この辺りでは多いみたいですね…」

大人とコドモの格差と称し、オーシャンビューの部屋をとったタカシとルカは、
ソファに座って既にくつろいでいた。

「ああ、そうね…。こっちは米軍基地があるでしょ?だからアイス屋さんもくっついてきた…ってところかな?」

「ふふふ…そうでしょうね」

ゆったりとした時間が二人の間で流れてゆく。

「本当に久しぶりです、こんなの。いつもだと…気付いたら、
お昼ご飯を食べ忘れているんですよ、オレ…」

自虐的に忙しさを説明するルカに、タカシは溜息をついた。

「…だからこっちに来てから、痩せたんだ…。だめでしょ、ルカ…。
ちゃんと食べなきゃ…。抱きしめたらアンタの骨がオレに刺さっちゃうよ…?なんてね…」

ホントに痩せたな…。

そう思いながら、タカシはルカを抱き寄せた。

「…標準体重に戻っただけですよ?ドイツにいたときは、ジャガイモ料理とか、ソーセージとか…わりと高カロリーなものばかり食べていましたから…」

ルカはタカシの心配そうな顔にそっと口づけた。

「…オレなんかのために、出世コースをドロップアウトさせちゃったからな…」

「…出世?そんなもの、出世したい人にくれてあげますよ…」

「…ルカ、愛してる」

「…オレもです…」


長い、長いキスのあと、タカシはルカをベッドに誘った。

「…今からルカを抱きたいって言ったら、腹ペコなオオカミみたいだと思う?」

すると彼は何もいわず笑みで応えた。


ベッドのなかに二人は沈む。
まさぐるのは互いの身体。求め合うのは、
胸の痛みを埋める、愛。

交われば、甘い吐息が零れた。
長い手足が絡み合う。
ベッドの白いシーツのなかで魚になる二人。

時折、苦しそうに甘い呻きを零すルカ。
その彼のうなじに少し噛み付くようにして、
彼の最奥へと繋がるタカシ…。

汗と吐息が混ざり合う。

「…ルカ…一緒に…イこう…」

「……タ…カシさ……ん」


溶け合うように固く抱きしめあった互いの腕が、
快感でうち震えた…。


……お前のことに関したら、オレはとことん我慢の出来ないガキだね、ルカ…。


まるで余韻を噛み締めるかのように、タカシはそのまま目を閉じていた…。

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