
止まない雨はない
第10章 RE:
「でも……オレは素人同然で、それはあなたもお聴き頂いたとおりではないですか?」
風間が何を思ってそう言っているのかわからず、タカシは聞き返す。
「たしかにそうだね。技巧もなく、我流の、まるで鍵盤をぶっ叩いてるような
そんな荒っぽい演奏だったりもするけど、ただ、僕は何よりも
君はこの瑠歌君の影響を受けていくらでも才能を開花させるタイプのプレイヤーだって
そう思えるんだ。そうだな……強いて言えば、愛と光を描き続けた、
マルク・シャガールみたいな感じというところか」
風間の言葉受け止め、タカシはルカを再び見つめた。
「………才能が開花していくかどうかなんて、オレには正直わからないです。
ただ、オレがそのマルク・シャガールみたいだというのであれば、
ここにいるルカはエヴァですね。彼は彼女なしではあんな傑作は生み出せなかったと思います」
「タカシさんっ………それは……かいかぶりすぎですよ。
オレはタカシさんにそんな多大な影響を与えるような存在ではないですから」
ルカは思わず顔を真っ赤にさせながら、彼の言葉を制止するかのように両手を広げて振った。
「いや、そんなことはないよ、瑠歌君。あまり彼を虐めたくは無いが、
君と別れた直後の彼の演奏は、こちらが思わず泣きたくなるほどの悲壮感でね」
風間が目を細めて微笑すると、タカシは慌てたように風間を凝視した。
まるで“ソレ以上は武士の情けで内密に”といわんばかりに。
風間が何を思ってそう言っているのかわからず、タカシは聞き返す。
「たしかにそうだね。技巧もなく、我流の、まるで鍵盤をぶっ叩いてるような
そんな荒っぽい演奏だったりもするけど、ただ、僕は何よりも
君はこの瑠歌君の影響を受けていくらでも才能を開花させるタイプのプレイヤーだって
そう思えるんだ。そうだな……強いて言えば、愛と光を描き続けた、
マルク・シャガールみたいな感じというところか」
風間の言葉受け止め、タカシはルカを再び見つめた。
「………才能が開花していくかどうかなんて、オレには正直わからないです。
ただ、オレがそのマルク・シャガールみたいだというのであれば、
ここにいるルカはエヴァですね。彼は彼女なしではあんな傑作は生み出せなかったと思います」
「タカシさんっ………それは……かいかぶりすぎですよ。
オレはタカシさんにそんな多大な影響を与えるような存在ではないですから」
ルカは思わず顔を真っ赤にさせながら、彼の言葉を制止するかのように両手を広げて振った。
「いや、そんなことはないよ、瑠歌君。あまり彼を虐めたくは無いが、
君と別れた直後の彼の演奏は、こちらが思わず泣きたくなるほどの悲壮感でね」
風間が目を細めて微笑すると、タカシは慌てたように風間を凝視した。
まるで“ソレ以上は武士の情けで内密に”といわんばかりに。
