止まない雨はない
第10章 RE:
「……ベッドに行こう」
ルカの頬を片手でするりと撫で、タカシは微笑む。
その瞬間の彼は誰よりもハンサムで、ルカが一番大好きなタカシの表情だったりするのだ。
ベッドルームに辿り着くまでに移動しながら何度もキスをする。
欲望の炎を少しでも鎮めたくて、逸る気持ちを激しくむさぼりあう。
ベッドサイドに立ち、ルカのシャツのボタンをタカシはひとつひとつ外していく。
キスをしながらのその行為に、ルカの心臓は期待で激しく内側からドラムのように響く。
(あなたのキスひとつでオレは熱くなってしまう。
まるで別の人間に変えられてしまう…)
そんなことを考えていることを悟られないよう、ルカは必死に理性を保とうとする。
シャツのボタンが全て外され、すぐにルカの胸板が露になった。
呼吸をするたびに上下に動くそれに、タカシは顔をそっと近づけ、
頬を摺り寄せたあと、彼の色づく乳首を舌先で縁をたどるように舐める。
「ふあっ……もう……タカシさんっ!」
わざと照れ隠しにふざけて怒ってみせたルカに、彼はさらに激しく唇を押し付けていった。
「んんん……あまり悪戯しないでください。これでも…我慢しているんですから」
困り顔のルカはタカシにそう言って制止させようとするが
それはかえって彼の欲望を煽る言葉になってしまうようだ。
「ふふ……可愛いよ、ルカ。ココ、そんなに感じるんだ?」
「やっ……だめ……そんなに激しく舐めたりしたら……ああっ……だめです」
赤く色づいた南天の実のような突起に、タカシは味わうように歯を立てる。
「あっ………や……やだ……っ」
「今夜は……なんだか止められそうにないよ、ルカ。
何故だろう……とても幸せなんだ。だから……アンタを凄く気持ちよくさせたい」