ジェンダー・ギャップ革命
第5章 良人の娘と寝る女
英真がしづやにプロポーズして、彼女達が入籍するまでの期間は、電光石火のごとくだった。
常々、考えるより行動派だと明言している令嬢は、両親の許可を得るという課題は避けて通った。両家の顔合わせに同席したのは、何かにつけて彼女を尊重してきた祖父母だ。今日の式でも、しづやとのじゃんけんの結果バージンロードを歩くことになった彼女に、妹似の整った顔が印象的な兄が付き添っていた。
白いチャペルが白い空の光を浴びる式場に、愛津も招かれていた。
広大な庭園を構えたここは、国内でも屈指の式場だ。
聖堂の見事なステンドグラスは、金色の日差しを招き入れて、永遠を誓う二人を明るく照らした。そして一年中とりどりの花を咲かせる温室から摘まれてきた色彩が、式後の演出を華やがせた。
晴れの日、英真としづやは目も眩むほど美しい。この世の全ての祝福、幸福を浴びた二人は、互いに選んだという花嫁衣装を差し引いても、吉兆のきらめきを身にまとっている。
フラワーシャワーが足元を彩っていた。
主役の二人をとりまく客は絶えない。
遠目に彼女達を眺めていた愛津の近くを、えれんと織葉が通りかかった。