ジェンダー・ギャップ革命
第5章 良人の娘と寝る女
「玲亜は、確かに斎藤さんに結婚を見送ろうと言われて悲しんでいました。だからと言って、しづやと私が、勝手に彼を訴えるはずありません」
「それに百目鬼先輩は、英真と私みたいな関係に、寛容でした。その……本命がいても、たまには遊ぶ、みたいな。だから斎藤さんが浮気していたとしても、正直に打ち明けられれば許せると言ってましたし、百目鬼先輩自身が訴えたとも考えられません」
「たった一人の親友なのに……このまま絶交なんて……」
それから数日後、愛津は更なる事実を知った。
例のごとく本部の真下でLGBTQ運動団体が活動を始めた賑やかな午後、若松泰子が「清愛の輪」を訪ねてきて、えれんを連れ出したあとのことだ。