ジェンダー・ギャップ革命
第5章 良人の娘と寝る女
大喝采が、明るい春の景色を満たした。
「愛津ちゃんいつの間にこんな特技を?!」
「えみるん、多才!あの多忙でよく練習出来たね」
「若松さん、可愛かったです!◯◯党のイメージ変わった!」
踊れるのはこの曲だけだと説明したり、褒め言葉に礼を返したりしながら、愛津は定位置に戻った。
息を整えて腰を下ろした愛津を、織葉のきららかな眼差しが迎えた。
「プロだった……」
「照れますってば。出ちゃった以上、恥ずかしがっても格好悪いじゃないですか、頑張ってみただけです」
「納得!愛津ちゃんの全力、目の保養にさせてもらった」
「有り難うございます。それにしても、若松さんにも驚かされました。普段と声、全然違ってて」
「宴会芸、好きだしねぇ。あの選曲は予想外だったけど」
「泰子は昔からそうなのよ。学生時代は、意外性があって良いって評判だったわ」
えれんの懐かしげな視線の先で、泰子は未だありあや月村達に囲まれていた。